日本原始・古代史研究は,考古学と文献史学の総合的学問体系である。さらに,地理学・国文学・美術史学・民俗学・人類学・宗教史学(仏教史研究・神祇史研究など)や,朝鮮史・中国史研究も当該時期の歴史的諸現象を研究対象としている。また,考古学においても文献史学においても,文化財保存科学,自然地理学・古環境研究,生態学などの自然科学との共同研究が必要とされる。したがって,日本原始・古代史研究は,考古学・文献史学とそれらの隣接諸科学との協同なくしては成り立たない。
………日本原始・古代社会の諸現象を研究対象とする各学問分野は,それぞれ独自の体系を有している。これらの各学問分野の体系と方法を理解することなしに,また文献史学固有の方法体系を理解してもらうことなしに,有効な共同研究を実現することはできない。………
(参考文献:『古代資料研究の方法』p20 角川書店 1993年)
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